バーチャル

電脳世界で”暮らす”時代がやってくる!? VRの最先端を知れるイベント『バーチャル学会』

キズナアイさんをはじめとしたVtuberの台頭、スマホ用VRの普及などにより、一般にも浸透しつつある「バーチャル」。

2000年代にはとても個人で買えるような代物ではなかったVRヘッドセットも、今ではゲーム機器を購入する感覚で、簡単に手に入るようになりました。Vtuber活動も、便利な機器が安価で手に入るようになり、個人でも簡単に始められる環境が整っています。しかし我々が普段触れているのは、「バーチャル」のほんの一部でしかないのです。

そんな「バーチャル」の最先端を知ることができるイベント、『バーチャル学会2020』が12月に開催されます。

バーチャル学会とは?

『バーチャル学会』というのは、バーチャル空間上での学術発表や交流を通じてバーチャル空間での価値創造をアカデミックの面から促進する取り組みです。

バーチャル学会実行委員長のふぁるこさん(@faruco10032)は、『バーチャル学会』の目的について、こう語っています。

バーチャル学会はVR空間上、さらに広い意味で言うと電脳世界というものが、今後より豊かなものになることを見越したうえで、いろいろな経済・インフラ・活動といったものがバーチャル空間上で行われると私たちは考えています。

アカデミアの世界でも、VR世界の基盤を築くため、電脳世界を主体とした学会を開催することで、アカデミアの世界を広げようというのが大きな目的です。

今はまだ、この世界はバーチャル空間としてみんながコミュニケーションをする場所という認識ですが、これを通じてもう一つの現実という感覚でバーチャル世界を作っていけたらなと思います。

今はまだコンテンツの一つに過ぎないバーチャル空間ですが、いずれは「電脳世界で暮らす」ようになり、最終的には「もう一つの現実」になるかもしれない…!

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バーチャル学会2019を開催して」より

「電脳世界で暮らす」というのは、ただ一日中VRヘッドセットを被って生活するというわけではありません。電脳空間で、遊び、働き、新たな価値を創造する。それが「電脳世界で暮らす」ということなのだと、ふぁるこさんは主張しています。

映画「サマーウォーズ」のように、電脳世界が主体となる時代が、すぐそこまで来ているのかもしれません。僕自身にはVRの専門的知識はありませんが、この考えには共感できました。

VR普及の最前線に立つ方々が語る、「バーチャル」の世界とは?

2019年度の「バーチャル学会」は基調講演とポスターセッションの二つに分かれており、基調講演はcluster、ポスターセッションはVRChatで行われました。

 2019年度基調講演の講演者は、東京大学教授である稲見昌彦さん(@dorinami)をはじめ、株式会社桜花一門代表の桜花一門さん(@okaichimon)、株式会社HIKKY取締役CVOの動く城のフィオさん(@phio_alcgemist)。

 VR普及の最前線で活動しているお三方が、自身の経験を踏まえて語る、「バーチャル」の世界。VtuberやVRに興味がある人なら、見て損しないものになっています。

youtu.be

ポスターセッションでは、データサイエンスVtuberであるアイシア=ソリッドさん(@Alcia_Solid)や研究室公認VTuber固体量子さん(@QM_phys_kyoto)など、総勢12人もの方が参加しました。

個人的に気になったのは、小江華あきさん(@OEKA_AKI)の「VR空間における漫画表現:必要な条件とは?」僕も普段から電子書籍を利用していることもあり、VR空間での漫画というものは見逃せない…!

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『バーチャル学会2019』公式サイトより

漫画が成立するためにはフレーム機能が重要であり、そしてコマ割りされた複数のイメージから生じる時間経過が必要」とのこと。つまり漫画で一番大事なのは、コマ割りだと説明しています。

VR空間では紙の漫画のように平面でなく、立体であるため、平面的な要素を残しつつも立体的な要素も組み込み、VR漫画を作ったそうです。ちなみにVR漫画はキズナアイさんの乙女解剖の動画でも使われているそうなので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

ポスターセッションは、VRChatのユーザー同士が会話できるという特徴を活かし、発表者と聴講者が直接ディスカッションできるものになっていました。人数制限がclusterよりも厳しいというデメリットが存在するものの、より理解を深めることができる良い体験になるのではないかと感じられました

www.youtube.com

『バーチャル学会』はさらに拡大していく

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昨年度のポスターセッションの様子

そんなこんなで大盛況だった『バーチャル学会2019』ですが、『バーチャル学会2020』は2020年12月12日に開催予定です。

今年度は基調講演、ポスターセッションに加え、口頭発表もあるとのこと。これにより、発表の機会が昨年度よりもさらに増えることが予想されます。またポスターセッションと口頭発表に関しては、今年度から発表の公募が行われています。

公募内容は「VR関連技術」もしくは「学術的取り組み全般」。VR空間でやっているからと言って、VR関連のことを必ずしもやる必要はなく、学術的な取り組みがなされているものであれば、自然科学や人文科学など、幅広い分野を発表することができます。アカデミアに所属している方はもちろん、一般の会社員・学生など、誰でも発表することが可能です。

今年はコロナの影響で、色々な学会で遠隔会議が行われていますが、『バーチャル学会』ではVR空間という強みを活かしたものにするとのこと。昨年より準備期間が長いこともあって、昨年度を超えるクオリティが期待できそうですね。

学会と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、VtuberやVRに詳しい詳しくない関係なく、「バーチャル」に可能性を感じる人ならば、おすすめできるかと。

発表者だけでなく、聴講者も募集しているので、気になった方は是非参加してみてはいかがでしょうか。

sites.google.com

今回の記事を書くにあたって、協力いただいた方々(敬称略)

バーチャル学会 実行委員長 ふぁるこ(@faruco10032)
バーチャル学会 口頭発表・プログラム管理 誰彼人(@Takato_qVtuber)
バーチャル学会 ポスターセッション lcamu(@ogtonvr180426
バーチャル学会 会場制作 サンスケ(@sansuke05_vr
バーチャル学会 ロゴ,デザイン テトラリアン(@tetoralian_vr
バーチャル学会 会場制作 ハツェ(@kohu_vr
バーチャル学会 広報,記録 はこつき(@re_hako_moon
バーチャル学会 会場制作 ふじ(@VRCfuji1542

バーチャル学会のスタッフの皆さま、取材させていただき、ありがとうございました。