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VRオタクが考える、VR普及に立ちはだかる3つの壁

一昔前までは個人で買えるような代物ではなかったVRも、近ごろは何とか手に届くレベルの値段になってきた。それにより、VRを所有する人が増え、VR市場は年々拡大している。

かく言う私も、「Oculus Quest」というVRヘッドセットを半年前に購入して以来、VRにどっぷりハマっている。Twitterでも、VRヘッドセットを購入したというツイートをチラホラ見かける。

とは言え、まだまだVRは一般には普及していないようだ。私の周りでも、VRヘッドセットを購入したという人はほとんどいない。

しかしVRにまったく興味がない、というわけではないらしい。VRを体験できるVR施設なるものが誕生し、都内だけでも10店舗以上あるとのこと。しかも連日大混雑しているというのだから驚きだ。今はコロナの影響でやっていないけど、いつか行ってみたい…!

イベントでも使われることは少なくない。「ソードアート・オンライン ビギニング」という、プレイヤーの3Dモデルをその場で作り、「ソードアート・オンライン」の世界をVRで体験するというイベントでは、約10万人もの応募者がいたようだ。

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『「SAO」がリアルに 「ソードアート・オンライン ザ・ビギニング」で体験した仮想現実レポート』より

このように、VRは不人気だから流行らないというわけではなさそうだ。ならばなぜ、VRは普及しないのか。VR歴半年の私が考えてみた。

ゲーム機器として買うには高すぎる価格帯

VRヘッドセットが安くなったと言っても、それは今までの値段と比べての話。一般的にみれば、まだまだ高い部類に入る

スタンドアロン型ヘッドセットの代表格である「Oculus Quest」の値段は64GBなら、49800円。PCとつなげるならば、それに加えてプラス10万程度かかる。

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Oculus Quest 公式サイトより

ゲーム機器としてよく挙げられるのはPS4とNintendo Switchだが、それらは本体のみで3万程度。Nintendo Switchに至っては、Liteならば2万程度で購入可能だ。

これらと比べると、ゲーム機器として買うにはVRヘッドセットは高すぎる。もちろんスマホVRを購入するという手もあるが、快適度は比べ物にならないほど悪いだろう。

またスタンドアロン型のVRヘッドセットはコンテンツが少なく、「VRChat」のように制限があるアプリもある。しかしVR対応のPCを買うとなると10万は必要。フルトラッキングにするならそれに加え、トラッカー(一個1万程度)をいくつか買わなくてはならない。

こんなことを言っている私だが、フルトラッキングはともかく、PCVRは値段に見合う体験ができると思う。だが全員が、VRという得体の知れないものに、10万以上かけられるのだろうか。

キラーソフトがない

PS4なら「ペルソナ」や「ファイナルファンタジー」。Nintendo Switchなら「マリオブラザーズ」や「ポケットモンスター」など、誰もが知っているソフトが存在している。しかしVRゲームには、それといったキラーソフトがない。しいて言うのなら「Beat Saber」くらいだろう。

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Unlimited Power by Jaroslav Beck(ft. Frank Bentley)| Gameplay | Beat Saber-Youtubeより

もちろん「ラストラビリンス」や「VRChat」など、面白いアプリは色々ある。ただそれがキラーソフトになれるかというと、ちょっと違うのでは…?

「VRChat」に関しては数百時間ほどプレイして、つまらないと感じたことは一度もないが、これが万人向けのアプリかと言われると、否定せざるをえない。

これにはコンテンツの少なさも影響している。SteamVRはそこそこあるが、Oculus Storeに関しては、審査が厳しいのか、まあ少ない。特にOculus Quest対応アプリが少なすぎ。私はこれに耐えられず、新しいPCを買って、SteamVRをできるようにしました…。

これに関しては今後に期待ですね。

人によってはVR酔いをする

これは個人差あるが、結構な確率でVR酔いをする人がいる。私のように、普通にVRをする分には問題ないが、ジェットコースターなど激しいゲームをやると酔ってしまうレベルの人から、少しでもVRをやると酔うレベルの人まで、個人差が激しい。逆に全く酔わない人もいる。

VR酔いの原因としてよく言われるのが、感覚不一致だ。これは視野や解像度の向上というスペック面での改善は、必ずしもVR酔いをなくすことにつながらないということを意味している。

私自身はVRの専門的な知識を持っているわけではないので、将来的にVR酔いがなくなるかはわからないが、少なくとも現時点では、誰しもVR酔いを起こす可能性がある。

VR酔いをするなら、プレイしなければいいという話だが、物事そう単純ではない。自分がVR酔いするかわからないのが問題なのだ

先ほどイベントやゲームセンターでVRを体験できるようになったと言ったが、逆に言えばイベントやゲームセンターくらいでしかVRを体験できる機会がないのだ。普通のゲームならば、家電量販店などで体験プレイができるが、VRの場合はそうもいかない。

つまり何が言いたいのかというと、「あなたは、自分が快適にプレイできない可能性があるものに、何万円もかけられますか?」ということだ。

もしVRヘッドセットを購入しても、自分がVR酔いしやすい体質であれば、VRヘッドセットはただの置物になってしまう。そんなものに何万円もかけるのは、なかなか勇気が必要だ。

VRには無限の可能性がある

────とここまで、VRに関してマイナスなことしか言ってこなかったが、私はVRには無限の可能性があると考えている。

確かにまだ一般には普及していないが、近ごろは教育・ビジネスで注目されており、VRはさらなる発展を遂げるだろう。

また2020年末から2021年初旬に、Oculus Questの新型モデルが発売されるとの噂もある。米メディアBloombergによると、現在より小型化され、フレッシュレートも向上するとのこと。これは期待できる。

コンテンツもこれからさらに増えることが予想され、あと数年もあれば、今ある課題はほとんど解決できるだろう。

VRは将来確実に注目されるコンテンツ。そんな技術の一端を、あなたも一度体験してみてはどうでしょうか。